蛇松緑道(国鉄沼津港線廃線跡)

蛇松緑道(国鉄沼津港線廃線跡)

静岡県沼津市、白銀町~蛇松町(1.8km)の間に整備された緑道が、蛇松緑道(じゃまつりょくどう)。昭和49年8月に廃線となった国鉄沼津港線廃線跡を遊歩道に転用したもので、120種、1万4000本の樹木が植栽されています。沼津港線は、もともと東海道線建設の資材運搬のため、明治21年に敷設された静岡県で最初の鉄道です。

静岡県で最初に敷設された鉄道の廃線跡が緑道に!

蛇松緑道(国鉄沼津港線廃線跡)

東京と京阪神を結ぶ鉄道は、中山道案と、東海道案の2案がありましたが、山岳ルートの中山道案を退けて東海道線の敷設が決まったのが明治19年のこと。
決定直後には静岡県でも工事が始まり、建築資材は横浜港から船で狩野川河口まで運ばれ、それを沼津の市街地の沼津停車場建設現場まで運搬するために、蛇松線が敷設されたのです(愛知県・知多半島の武豊線も同様の理由で、東海道線開業に先立って敷設されています)。
蛇松は、狩野川河口にあった巨大な松の名前です。
明治22年2月1日には、沼津停車場が開業(当時の東海道線は御殿場回り、現在の御殿場線のルートでした)、同年4月に東京〜京都間が開通しています。

沼津港駅が明治32年6月15日、官設鉄道の蛇松駅(当初は非営業線)として開業したことから当初は蛇松線と称されていましたが(営業線としての正式開業は明治40年11月1日)、沼津港(沼津港内港)の完成に伴って昭和22年に移転して沼津港駅に改称され、戦後は国鉄沼津港線となっていました。
清水港線と同様に、東海道本線の貨物支線の扱いで、往時には沼津魚市場からの海産物の発送などにも使われていました。
昭和49年9月1日、全線廃止。

国鉄沼津港線(蛇松線)の起点部分は、現在、沼津通運倉庫になっており、その先に蛇松緑道入口があります。

蛇松緑道お祭り広場で分岐し、カーブしながら狩野川へと進むのが蛇松緑道で、蛇松広場が終点です。
このあたりが当初の蛇松駅のあった場所。

蛇松緑道お祭り広場から線路が残る歩道を直進すると、千本港町バス停で、静岡県道159号(沼津港線)を横断して(現在は横断歩道などはありません)佐政水産側に渡り、沼津みなと新鮮館あたりの先、沼津魚市場横が終点でした。
沼津魚市場横が戦後の沼津港線の終点、沼津港駅跡です。

蛇松緑道(国鉄沼津港線廃線跡)
蛇松緑道お祭り広場〜沼津港駅跡の歩道(横は静岡県道159号沼津港線)
蛇松緑道(国鉄沼津港線廃線跡)
名称 蛇松緑道(国鉄沼津港線廃線跡)/じゃまつりょくどう(こくてつぬまづこうはいせんあと)
所在地 静岡県沼津市白銀町~蛇松町間
関連HP 沼津市公式ホームページ
電車・バスで JR沼津駅から徒歩10分
駐車場 なし
問い合わせ 沼津市都市計画部緑地公園課 TEL:055-934-4795/FAX:055-932-5871
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

蛇松緑道(国鉄沼津港線廃線跡)

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