「韮山反射炉」が世界遺産になった理由とは!?

伊豆の国市韮山にある韮山反射炉は、世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産のひとつ。
「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」(当初の名称は「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」)は、当初の名の通り、萩反射炉(山口県)、集成館(鹿児島県)、高島炭鉱・端島炭鉱(長崎県)、三重津海軍所跡(佐賀県)など九州と山口県が中心。
遠く離れた伊豆半島の韮山反射炉が、なぜ、世界遺産に登録されたのか、わかりやすく解説しましょう。

キーワードは「明治の産業革命を支えた『製鉄』」

まず、この世界遺産は、幕末から明治時代にかけて(1850年代から1910年まで)に急速な発展をとげた炭鉱、鉄鋼業、造船業に関する文化遺産。
平成21年1月5日に暫定リストに追加掲載されたときの名称は「九州・山口の近代化産業遺産群-非西洋世界における近代化の先駆け-」でした。
手短にいえば、「日本の近代化の先駆けとなった明治時代の遺産」(Japan’s Meiji Industrial Revolution)です。

反射炉とは、燃焼室で発生した熱を天井や壁で反射させ、熱を集中させ鉄の精錬を行なう施設。
鉄を鋳造するのは大砲を築くためです。幕末には日本沿岸に異国船が姿を見せ、近代的な国防が急務となっていたのです。
つまり反射炉は、明治の産業革命を支えた「製鉄」の遺産なのです。
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日本初の反射炉は佐賀に!

日本初の実用反射炉は、佐賀藩が嘉永3年(1850年)に建設した築地反射炉(ついじはんしゃろ/現・佐賀県佐賀市長瀬町9-15)。
アヘン戦争で清がイギリスに敗れたことを受け、佐賀藩第10代藩主・鍋島直正は、西洋の技術を積極的に導入。嘉永4年(1851年)には日本で初めて鉄製大砲を鋳造しているのです。
オランダのヒュゲーニン(Ulrich Huguenin)の著した技術書『ロイク王立製鉄大砲鋳造所における鋳造法(Het Gietwezen in’s Rijks Ijzer – geschutgieterij te Luik)』を翻訳して、大砲製造に活かしたのです。
残念ながら、この反射炉は現存していません。

さらに佐賀藩は、伊豆韮山代官・江川英龍(えがわひでたつ)に協力を要請。韮山の代官だった江川英龍は嘉永2年(1849年)に早くも小型の実験反射炉の試作を行なっていたのです。

佐賀藩が築いた築地反射炉(復元)

佐賀藩が築いた築地反射炉(復元)

続いて萩に反射炉が完成

続いて、佐賀藩から技術を導入して反射炉を建造したのが長州藩。安政3年(1856年)に建造された萩反射炉で、規模が小さいことなどから実用炉ではなく実験炉だったと推測されています。現存している遺構は反射炉の煙突部で、これが世界遺産の構成資産になっています。
世界遺産に登録の萩反射炉

実際に大砲を製造したのが韮山反射炉

そして韮山反射炉ですが、嘉永6(1853年)年のペリー来航を受けて、幕府直営の反射炉として築造が決定されたもの。
江川英龍を中心に、伊豆下田で築造が開始されましたが、安政1年(1854年)、下田に入港したペリー艦隊の水兵が敷地内に侵入するという事件が発生。急遽、築造場所を内陸の韮山へと移されたのです。
江川英龍は、佐賀藩の技師田代孫三郎・杉谷雍助以下11名を招き技術供与を受けてもいます。
佐賀藩における反射炉築造のノウハウは萩藩、そして幕府直轄の韮山へと伝授されたのです。

残念ながら韮山反射炉も反射炉本体のみしか現存していませんが、実際に大砲を鋳造した実用炉としては唯一現存する反射炉になっています。

韮山反射炉を築いた江川英龍
反射炉の内部
 

韮山反射炉DATA

施設名 韮山反射炉
住所 静岡県伊豆の国市中鳴滝268-1
関連HP http://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/
地図
電車・バスで 伊豆箱根鉄道伊豆長岡駅から伊豆箱根バス反射炉方面行きで7分、反射炉下車、すぐ
ドライブで 東名高速道路沼津IC・新東名長泉沼津ICから伊豆縦貫道経由で30分
駐車場 100台/無料
問い合わせ TEL:055-949-3450

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