SL急行「かわね路号」や特急「きかんしゃトーマス号」などの運転で人気の大井川鐵道ですが、実は、鉄道ファンや関西の年配の人には、もうひとつ注目の電車があるのです。それが大井川鐵道16000系といわれる、元近鉄の特急(現在も近鉄南大阪線では特急として活躍中)。昭和40年、昭和41年に「吉野特急」としてデビューした車両が、大井川鐵道で茶畑の中を駆け抜けています。しかも普通電車なので、特急券は不要! 内部もほぼ昔のまま。
「吉野特急」が現役で活躍
現在、大井川鐵道で活躍する旧「吉野特急」は以下のとおりです。
「モハ16003+クハ16103」=昭和41年竣工、平成14年大井川鐵道に譲渡、平成16年大井川鐵道で営業運転開始。
現在はこの1編成のみが活躍。
車両の形式表示をマスターしよう!
モハとかクハとかいわれてもチンプンカンプンというお父さん、お母さんに簡単に説明を。
JRや近鉄特急などの車両の側面には必ず、この記号が付いています。
これが「電車の種別を表す記号」と「使い方(用途)を表す記号」です。
まずは「電車の種別を表す記号から。
ク=制御車、つまりは運転台の付いた車両。
モ=モーターカー、つまりは電動車の意で、車体の下にモーターが組み込まれています(車体が重いので脱線がしずらいという専門家も)。
サ=運転台もモーターもない車両です。
クモ=モーター、運転席の付いた車両。
続いて「使い方(用途)を表す記号」の説明を。
ハ=普通車
ロ=グリーン車
シ=食堂車
ネ=寝台車
以上を頭に入れて、列車の側面を見ると、
たとえば、モハは、モーターの付いた普通車。クハは運転台のある普通車の意です。
近鉄吉野特急とまったく同じ編成で運転
ここで、大井川鐵道を走る元近鉄特急の編成を見ると、
モ16000形(モハ16003)は、大阪阿部野橋向き制御電動車(Mc)。車内販売準備室を設置。定員64名。
ク16100形(クハ16103)は、吉野向き制御車(Tc)。電動発電機と空気圧縮機を搭載。洗面所・トイレを設置。定員64名。
となり、2両編成で運転時の近鉄吉野特急とまったく同じ編成ということがわかります。
では、近鉄特急時代と何が違うのかといえば、
大井川鐵道では各駅停車で運転のため、近鉄時代は「特急」表示のあった電照式表示器部分に「金谷-千頭」と行先表示に変更しています。
さらに大井川鐵道ではワンマン運転のため、最前部1列の座席の撤去とトイレ・洗面所・車販準備室の封鎖を行なっています。
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