【マンホールで知る町自慢】裾野市

静岡県裾野市のマンホールの絵柄は富士山、五竜の滝、市の花アシタカツツジが描かれています。

富士山の溶岩流突端にある五竜の滝

裾野市からの富士山
裾野市から眺める富士山。中央に大きな宝永第一火口が口を開けています
裾野市は富士山の東南麓、静岡県の東部に位置し、東に箱根外輪山、西に愛鷹連山と豊かな自然に囲まれています。
マンホールに描かれた五竜の滝は、黄瀬川(狩野川の支流)にかかり、約1万年前に流れ出した新富士火山三島溶岩流の突端の断崖に落ちる落差13mの名瀑です。

向かって左の3条が雄滝、右の2条が雌滝と呼ばれ、5条の滝は左から、雪解、富士見、月見、銚子、狭衣(さごろも=衣服のこと)と名づけられています。
周囲は雄滝を正面に眺望する吊り橋や散策路などが整備され、裾野市中央公園として市民に愛される憩いのスポットとなっています。

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吊り橋から眺めた雄滝

取材時に出会った地元の人によると、
「落ち口が水流で削られ、50年前に比べてかなり後退している」
とのこと。
人が実感できるほど溶岩が削られるという豊かな水流の黄瀬川は狩野川水系最大の支流です。
新田次郎もこの地を訪れ、小説『蒼氷(そうひょう)』を執筆、作品の中に五竜の滝が登場します。

ちなみに、富士山の東南麓にはこの五竜の滝が落ちるのですが、西南側の溶岩流(1万年前の白糸溶岩流)突端には世界文化遺産の構成要素でもある白糸の滝があります。

市の花アシタカツツジ

マンホールに描かれたアシタカツツジ(愛鷹躑躅)は裾野市の「市の花」に指定されています。

植物学の父といわれる牧野富太郎博士が裾野市十里木の愛鷹山麓で偶然採取して命名したトウゴクミツバツツジとミツバツツジの混種。
アシタカツツジは静岡県だけに分布し、標高1504.2mの越前岳を主峰とする愛鷹山(あしたかやま)や富士宮市の郊外の天子岳に自生しています。環境省のレッドリストでは絶滅危惧II類に登録されています。

愛鷹山北麓の裾野市十里木高原の十里木高原別荘地奥に群落地があり、花の開花期は5月中旬から6月中旬(見頃は5月下旬~6月上旬)です。

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アシタカツツジ (愛鷹躑躅) Rhododendron komiyamae Makino

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(一社)プレスマンユニオン事務局長。 全国を取材するかたわら、デザインマンホールに注目しています。なぜなら、そこには郷土の自慢が凝縮されているから。何気ない足下のマンホールが、実は地域活性にとって重要な役割を担っていることから、ウエブマガジン「マンホールStyle」を運営中です!