清水港テルファー

静岡県静岡市清水区、清水港のエスパルスドリームプラザの海側にあるのが、清水港テルファー。もともとは、国鉄清水港線・清水港駅に木材積込用に建設された鉄道施設(クレーン)。全長110mのコの字型。昭和3年5月に運用が始まった、陸運(鉄道)と水運(船舶)と間の連絡施設で、国の登録有形文化財に指定されています。

現存する唯一の木材荷揚げ用のテルファークレーン

清水港テルファー

明治32年8月4日に開港場に指定され、明治時代にも、国際貿易港として茶、ミカンなどの北米輸出で繁栄した清水港。

明治維新後、静岡県の牧之原台地の開墾などによって大幅な茶の増反が行なわれたのは、国内生産のお茶の8割近くが、アメリカ合衆国などに輸出されていたから。
横浜、神戸、長崎の三港からの輸出では、下請けに甘んじるため、国際貿易港となることは、茶の生産地にとっては悲願だったのです。
大正6年には全国茶輸出高の77%が清水港というほど繁栄したのです。

その後は、大豆油やマグロの油漬缶詰、石炭や木材などの輸出で賑わいを見せました。
清水港テルファーが保存される場所は、貨物駅だった国鉄清水港線・清水港駅跡。

それまでは人力で荷物の積み込みを行なっていましたが、事故も多く、安全性確保と合理化のために築かれたのが鉄骨造りのテルファークレーン。
テルファー(telpher/テルハとも)とは、空中高架軌道(高架軌道上を電気で駆動し、移動する運搬車)、つまりはロープウェイ状のもの。

昭和46年にその役目を終え、往時の場所に保存されていますが、現存するテルファー形式の木材荷揚げ機械設備としては、日本国内で唯一のもの。
設置当時も名古屋港、神戸港、清水港にしかありませんでした。
清水港のテルファーは、神戸にあった内外エレベーターの施工。

11mの高架部分に、9m幅で架設されたⅠ型鋼の桁(モノレール=ガーダ)に沿って、運転手室付きの電動ホイスト台車が走行する仕組み。
日本の貨物輸送を支えた港湾機械として日本機械学会の機械遺産にも認定。

清水港テルファー
名称 清水港テルファー/しみずこうてるふぁー
所在地 静岡県静岡市清水区入船町13-15地先
関連HP 静岡市公式ホームページ
電車・バスで 静岡鉄道新清水駅から徒歩15分
ドライブで 東名高速道路清水ICから約5km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 静岡市都市局建築部建築総務課 TEL:054-221-1049/FAX:054-221-1135
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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