富士山御胎内清宏園(印野胎内)

富士山御胎内清宏園(印野胎内)

静岡県御殿場市印野、宝永4年(1707年)の富士山の宝永大噴火(ほうえいだいふんか)でできた溶岩洞穴、印野胎内(いんのたいない)を中心とする自然公園が富士山御胎内清宏園(ふじさんおたいないせいこうえん)。全長155mの印野胎内(印野の溶岩隧道)は国の天然記念物に指定されています。

富士山信仰を今に伝える貴重な溶岩樹型

富士山御胎内清宏園(印野胎内)
胎内神社の横に印野胎内の入口が
富士山御胎内清宏園(印野胎内)
印野胎内の洞内図

印野胎内の名称は、人体の胎内(内部)を思わせる曲がりくねった構造に由来。
江戸時代中期から明治時代に隆盛した富士山信仰の富士講は、富士山を御神体に、富士山麓の溶岩洞穴を、木之花咲耶姫(このはなさくやひめ)の胎内とする信仰があったのです。
洞内に不動明王を祀り、安産祈願の聖地ともなっていました(明治初年の神仏分離で現在は印野本村の光真寺に祀られています)。

印野胎内も、入口から「父の胎内」の小腸部、五臓部を経て前殿、本殿、臍帯部を通り、母の胎内の本殿、子返り、母の肋骨と続き、産道を通って外に出る仕組み。
U字形に全長155mという長さですが、ほふく前進の部分もあるので洞内探勝には30分ほど必要。
照明設備はなく、以前は受付でろうそくを購入するシステムでしたが、現在は受付でヘルメット、ライトが貸し出されています。
さらには這いつくばる部分もあるので、汚れてもいい服装で入洞のこと。

印野胎内は、溶岩流に飲み込まれた樹木の形が空洞として残った、典型的な溶岩樹型。
U字型になっているのは、複合溶岩樹形で、内部に祀られる石造の祠は、江戸時代に富士講の信者が奉納したもの。

富士山御胎内清宏園の園内の樹林には73種もの野鳥が棲息し、観察歩道も整備。
安産の守り神である胎内神社、溶岩樹型などもあり、富士山麓の貴重な散策スポットになっています。

ちなみに印野丸尾溶岩流を生み出した宝永大噴火の49日前には、南海トラフ沿いを震源とする巨大地震「宝永地震」も発生。

御殿場市には駒門風穴(こまかどかざあな)が溶岩洞窟で、国の天然記念物に指定。

富士山御胎内清宏園(印野胎内)
富士山御胎内清宏園(印野胎内)
名称 富士山御胎内清宏園(印野胎内)/ふじさんおたいないせいこうえん(いんのたいない)
所在地 静岡県御殿場市印野1382-1
関連HP 富士山御胎内清宏園公式ホームページ
電車・バスで JR御殿場駅から富士急行バス印野本村行きで20分、御胎内温泉健康センター下車、徒歩10分
ドライブで 東名高速道路御殿場ICから約9km
駐車場 60台/無料
問い合わせ 富士山御胎内清宏園 TEL:0550-89-4398
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
駒門風穴

駒門風穴

静岡県御殿場市の駒門地区にある富士山の爆発によってできた本穴290m、枝穴118.2mの溶岩洞窟が駒門風穴(こまかどかざあな)。富士山麓では最大規模の溶岩洞窟で、国の天然記念物に指定されています。洞窟内部の気温は年間を通じて13℃と一定で、

富士山御胎内清宏園(印野胎内)

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