静岡県沼津市下香貫、沼津御用邸記念公園内にあるのが、沼津市歴史民俗資料館。1階は、国の重要有形民俗文化財に指定された「沼津内浦・静浦及び周辺地域の漁撈用具」などを、2階では静岡県の文化財「浮島沼周辺の農耕生産用具」などを展示紹介しています。
駿河湾で使われてきた漁具類などを展示
1階展示室では、国の重要有形民俗文化財に指定された「沼津内浦・静浦及び周辺地域の漁撈用具」(漁撈用具としては静岡県内で初の指定)2539点を、1沿岸のマグロ建切網漁(たちきりあみりょう)、2『豆州内浦漁民史料』と漁撈用具収集との関わり、3コショウバイ(個別漁業)の多様性、4漁師の漁具製作技術、5筒柱の船霊様、6漁師の副業からの水産加工、7漁師の副業としてのエサカイ、といった7つの特徴に分けて展示。
「沼津内浦・静浦及び周辺地域の漁撈用具」は、沼津市歴史民俗資料館が開館以来、駿河湾の最奥部にあたる静岡県沼津市内で漁撈に用いられてきた用具類を精力的に収集してきたもので、網漁具、釣漁具、突漁具、磯物採取用具、陥穽漁具、畜養・養殖用具と漁船及び網小屋用具、漁船・漁具製作及び修繕用具、交易運搬用具、水産加工用具、信仰・儀礼用具、そして漁業経営用具と多彩な内容。
とくに、江戸時代初頭から大正時代初頭にかけて内浦沿岸に押し寄せてきたマグロ、カツオなどの大型回遊魚を地域が共同して捕獲する建切網漁の漁具、そして見晴らしの良い高所から魚が来たことや追い込んだ魚の動きを見張り、漁をしている人達に伝える「見張り小屋」で使用した「ローフー」(拡声器)などの地域独特の資料も豊富。
漁法の変遷をも知ることができます。
2階展示室は、農耕や生活文化などで、静岡県の有形民俗文化財に指定された「浮島沼周辺の農耕生産用具」などの農耕用具、高度経済成長期以前の生活道具などを展示しています。
企画展も随時開催。
日本一の深海、駿河湾奥という場所柄もあってかなり専門的な内容ですが、入館無料(沼津御用邸記念公園への入園料が必要)なので、ぜひ見学したい資料館です。
沼津市歴史民俗資料館 | |
名称 | 沼津市歴史民俗資料館/ぬまづしれきしみんぞくしりょうかん |
所在地 | 静岡県沼津市下香貫島郷2802-1 |
関連HP | 沼津市公式ホームページ |
電車・バスで | JR沼津駅から東海バス三津方面行き・伊豆箱根バス長岡行きで10分、御用邸下車、徒歩2分 |
ドライブで | 東名高速道路沼津ICから約10km |
駐車場 | 120台/無料 |
問い合わせ | 沼津市歴史民俗資料館 TEL:055-932-6266/FAX:055-934-2436 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |