静岡県伊豆の国市、北条時政の墓のある北条家ゆかりの願成就院の北にあるのが、北条政子産湯の井戸。伝・堀越御所跡(足利政知の御所跡)の前を通る「北条の里さんぽ路」から南に入った場所にあります。源頼朝の妻・北条政子は北条時政の長女として保元2年(1157年)、この地に生誕したと伝わっています。
かつてはここも北条時政の邸内だった

産湯の水を使ったと伝えられるのが、北条政子産湯の井戸で、井戸水は伝承から、この水を飲むと安産になるという信仰がありました。
西側には、発掘調査でその存在が確定している北条氏邸・円成寺跡があることで、この井戸が北条政子の産湯に使った井戸だろうと推測されてきたのです。
北条氏邸・円成寺跡は、北条氏の居館があった平安時代末期から鎌倉時代初期の遺物が多数出土し、北条政子の父・北条時政から、政子の甥にあたる3代執権・北条泰時の時代のものが多く、その後のものはほとんどないために、鎌倉に居館を移したことも裏付けられるのです(円成寺は鎌倉時代後期〜室町時代にあった尼寺の名)。
現在の石造の井戸は江戸時代のもので、中世に井戸があったのかどうかは定かでありません。
現在は民有地ですが、かつてはこの場所も北条氏の邸宅内だったことで、北条氏が水の確保に使っていたということは容易に想像ができます。
一帯には御産所という地名も残り、その伝承を裏付けています。
「政子産湯の井戸」の石碑は、東急を率いた五島慶太(ごとうけいた)が昭和29年8月に建立したものです。
五島慶太は伊豆観光開発に情熱を注ぎ(西武グループと伊豆戦争を展開)、一帯にも土地を有していました。
北条政子産湯の井戸 | |
名称 | 北条政子産湯の井戸/ほうじょうまさこうぶゆのいど |
所在地 | 静岡市伊豆の国市寺家23 |
関連HP | 伊豆の国市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 伊豆箱根鉄道韮山駅から徒歩15分 |
駐車場 | 守山東駐車場(18台/無料)を利用 |
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