伊豆山神社

伊豆山神社

静岡県熱海市伊豆山にある関八州の総鎮護社、伊豆山神社。創建はあまりに古く定かでありませんが、神仏習合時代に伊豆大権現、走湯大権現と呼ばれ、伊豆山温泉の守護神としても信仰を集めました。修験道の開祖・役小角修行の地といわれ、源頼朝と北条政子ゆかりの社としても有名です。

源頼朝が源氏の再興を祈願、大願成就で関八州の総鎮護社

修験道の開祖で神仏習合を唱えた役小角(えんのおづぬ)は、文武天皇3年(699年)、伊豆大島へ配流された際に伊豆大権現で修行しています。
古代から中世には信濃の戸穏、駿河の富士山、伯耆の大山と並ぶ修験の地だったとか。

源頼朝は平治の乱後、伊豆配流という絶望的な状況のなか、伊豆山権現に源氏再興の祈願、満願成就となって「社領四里四方、海上見渡す限り」という領地を与えて「関八州鎮護」としています。
また源頼朝と北条政子が逢瀬(デート)を重ねたことから、縁結びのご利益があるとも。

北条政子は境内にある梛(なぎ)の木の葉を鏡の下に敷いて愛を祈ったことから、コンパクトの中にこの葉を入れるなどしてこの葉を所持すれば、良縁に恵まれるといわれています。

戦国時代には、小田原の北条氏の崇敬を受けましたが、豊臣秀吉の小田原攻めで社殿堂宇が焼失。
江戸時代には阿多湊(熱海)に湯治に訪れた徳川家康も参詣しています(当時は神仏習合の寺で、明治の神仏分離で般若院のみ移転して現存)。

境内からは熱海市街や相模湾を一望のもと。
また周囲は「子恋の森公園」として整備され、緑豊かな森の散策を楽しむことも可能です。

例祭は4月14日〜16日。
5月14日に走湯神社例祭が斎行されます。
9:30~14:30ならご祈祷も受付。
授与品に「安産守」、「強運守」、「合格守」、「むすび守」(政子、頼朝の顔)など。

源頼朝の三社詣(二所詣で)で

走湯山(走湯権現・伊豆山権現)と、箱根山(箱根権現)への信仰は平安時代に始まり、二所権現詣でも行なわれていました。
源頼朝は、それに三嶋社を加え、現在の伊豆山神社、箱根神社、三嶋大社を巡る三社詣でをたびたび行なっていることが『吾妻鏡』にも記述されています。
最初の記録が文治4年(1188年)正月で、続いて建久2年(1191年)で、建久5年(1194年)には北条政子が代参しています。

鎌倉幕府による三社詣では源頼朝没後も嘉暦2年(1327年)に至るまで続けられていました。
当時は二所権現詣と三嶋社ということで二所詣で(二所権現詣で)と称し、鎌倉時代には鎌倉→箱根山→三嶋社→走湯山→鎌倉というルートで参詣していました。

伊豆山神社
伊豆山神社から眺めた初島と伊豆大島
伊豆山神社
名称 伊豆山神社/いずさんじんじゃ
所在地 静岡県熱海市伊豆山708-1
関連HP 伊豆山神社公式ホームページ
電車・バスで JR熱海駅から箱根登山バス七尾方面・伊豆山循環10分、伊豆山神社前下車、すぐ
ドライブで 西湘バイパス石橋ICから約17km
駐車場 30台/無料
問い合わせ 伊豆山神社 TEL:0557-80-3164
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
走り湯

走り湯

静岡県熱海市伊豆山、伊豆山温泉にある源泉湧出の地が、走り湯。役行者が伊豆大島流刑時代に発見したと伝えられる古湯で、修験道の霊地とされることから伊豆山権現(走湯山権現)の信仰が生まれたのです。源頼朝は、伊豆山権現で源氏再興の祈願をしていますが

伊豆山神社

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