秋葉総本殿可睡斎

可睡斎

静岡県袋井市の郊外にあり、室町初期に開かれた曹洞宗の巨刹で遠州三山(油山寺、秋葉総本殿可睡斎、法多山尊永寺)のひとつに数えられる名刹。徳川家康ゆかりの寺で、可睡斎という名は、家康の前で住職が居眠りをしたっというエピソードに基づいて、改名。つまりは徳川家康命名の寺というわけです。

東海道一という禅の大道場

創建は応永8年(1401年)。
江戸時代には10万石待遇の「東海大僧録」(僧録=僧尼の登録、僧官の任免など、僧侶たちの様々な録事を司る役職)として三河国・遠江国・駿河国・伊豆国の曹洞宗寺院を支配していました。

幼少の頃、徳川家康は武田信玄の軍から逃れこの寺の11代住職の仙麟等膳(せんりんとうぜん)に匿われたことがありました。
後に浜松城主となった徳川家康は、旧恩を謝すため、仙麟等膳を浜松城に招きます。
その際に住職は、なんと家康の目の前でいねむりを始めますが、家臣が起こそうとするのをとどめて、家康は「和尚我を見ること愛児の如し。故に安心して眠る。われその親密の情を喜ぶ、和尚睡(ねむ)る可(べ)し」と語ったことから、仙麟等膳は、「可睡和尚」と呼ばれるようになり、東陽軒という寺名を可睡斎に替えたのだと伝わっているのです。

石段の上り口の左右にある石灯籠には、徳川家の三つ葉葵の紋が刻まれ、家康ゆかりの寺であることがよくわかります。

明治6年に絶大なる火防(ひぶせ)信仰のあった秋葉大権現の神仏分離が行なわれていますが、三尺坊大権現(さんしゃくぼうだいごんげん)が遷座されたのがこの可睡斎。
以来、火防信仰を今に伝える秋葉総本殿と称しています。

園内のぼたん苑では、4月下旬~5月上旬、500株のぼたんも開花。
1週間前までに予約をすれば、名物の精進料理を味わうことができるほか、禅や写経体験も可能。宿坊も営んでいます。
昭和12年築の大規模和風建築「瑞龍閣」、瑞龍閣の隣に建つ「大東司」(日本一大きな寺のトイレといわれている)は国の要録有形文化財。

可睡斎
日本一の大東司(トイレ)
秋葉総本殿可睡斎
名称 秋葉総本殿可睡斎/あきばそうほんでんかすいさい
所在地 静岡県袋井市久能2915
関連HP 可睡斎公式ホームページ
電車・バスで JR袋井駅から静鉄バス可睡経由遠州森町行きで10分、可睡下車、徒歩1分
ドライブで 東名高速道路袋井ICから約2.7km
駐車場 300台/無料
問い合わせ 秋葉総本殿可睡斎 TEL:0538-42-2121
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

可睡斎『火防大祭(秋葉の火まつり)』|袋井市

袋井市の可睡斎で『火防大祭(秋葉の火まつり)』が行なわれます。袋井市にある法多山尊永寺 (高野山真言宗)、萬松山可睡斎 (曹洞宗)、医王山油山寺 (真言宗智山派)が遠州三山ですが、そのひとつ可睡斎(かすいさい)は、火防の神として有名。『火防

可睡ゆりの園 開園|袋井市|2023

2023年5月27日(土)〜7月2日(日)9:00〜17:00、静岡県袋井市の『可睡ゆりの園』が開園します。15haという広大な敷地に世界各地から集めた150余種類200万本のユリが植栽される花園。毎年5月下旬から7月上旬にかけて花の見頃を

【除夜の鐘&初詣】可睡斎(遠州三山)|袋井市

秋葉総本殿可睡斎(あきばそうほんでんかすいさい)は、袋井市郊外にあり、室町初期に開かれた曹洞宗の巨刹。その昔、徳川家康に招かれた11代住職の等膳和尚が、家康の目の前でいねむりを始め、家康が「和尚睡(ねむ)る可(べ)し」と言ったことから、可睡

遠州三山風鈴まつり・可睡齋

遠州三山風鈴まつり(可睡齋・油山寺・法多山)|袋井市|2023

2023年5月20日(土)〜8月31日(木)、静岡県袋井市で『遠州三山風鈴まつり(可睡齋・油山寺・法多山)』が開催されます。徳川家康ゆかりの萬松山可睡齋(曹洞宗)、目の霊山・医王山油山寺 (真言宗智山派)、厄除けで名高い法多山尊永寺 (高野

油山寺

油山寺

秋葉総本殿可睡斎、法多山尊永寺とともに遠州三山(えんしゅうさんざん)のひとつで目の霊山として有名なのが袋井市にある油山寺(ゆさんじ)。正式名は醫王山薬王院油山寺(いおうざんやくおういんゆさんじ)。寺伝によれば大宝元年(701年)、行基開山と

法多山尊永寺

法多山尊永寺

静岡県袋井市にある油山寺、秋葉総本殿可睡斎とともに遠州三山のひとつに数えられる名刹が法多山尊永寺(はったさんそんえいじ)。寺伝によれば神亀2年(725年)、聖武天皇の命により行基が開山したという、真言宗の古刹です。厄除観音として名高く、境内

可睡斎

よく読まれている記事

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!