静岡県富士市と静岡市清水区の間を流れる富士川に架る静岡県道396号(富士由比線)の橋が、富士川橋(県道)。東海道本線の富士川橋梁と東名高速道路・富士川橋の間に位置するのが県道の富士川橋で、大正13年に国道1号の橋として完成した歴史ある6連曲弦プラットトラス橋です。
大正13年架橋のトラス橋が現役で活躍
あまり注目されていませんが、現役の道路橋としても日本屈指の歴史を誇る橋。
しかも下流側から眺めると、緑色のトラス(三角形が組み合わさった構造)の上に富士山という絶景が。
富士川の河口部からは、4.5kmの場所で、東海道の富士川の渡しがあった場所です。
西側の岩淵は、東海道吉原宿〜蒲原宿の間の、間の宿として機能し、東海道の一里塚が残されています。
万治2年(1659年)頃に刊行された『東海道名所記』に「大河にして、水、はなハだ、はやし。」と記された富士川の渡し場で、明治時代に木造の橋が架橋されますが、急流の富士川ゆえにたびたび流失し、初の永久橋として架橋された鉄橋(国道橋)が現在の県道・富士川橋です。
富士川橋の架橋は、初代の日本鉄道・荒川橋梁、東海道本線の富士川橋梁など数多くの鉄橋を手掛け、「鉄橋小川」の異名を有した小川勝五郎(おがわかつごろう)の指導のもとで勝呂組が担当。
総工費85万円、当時としては最高水準の技術を結集して施工されています。
橋長399.1m、幅員7.3mで、昭和63年に6連アーチのうち2連を拡幅のために架け替え、さらに昭和46年4月26日、河口から1.5kmの場所に国道1号(富士由比バイパス)の新富士川橋完成に伴い、平成5年に国道1号から県道に変わっています。
富士川橋のすぐ上流側には、富士川の水を農業用水として四ヶ郷用水(しかごうようすい)に取入れるための四ヶ郷頭首工(しかごうとうしゅこう)があり、小さな段差が滝となり、富士山を眺めるビューポイントになっています。
富士川橋(静岡県道396号) | |
名称 | 富士川橋(静岡県道396号)/ふじがわばし(しずおかけんどう396ごう) |
所在地 | 静岡県富士市松岡〜岩淵 |
ドライブで | 東名高速道路富士川スマートICから約1km |
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