静岡県藤枝市南駿河台1丁目にある駿河国志太郡(しだぐん)の郡衙(ぐんが)の跡が、志太郡衙跡。奈良・平安時代の郡役所の跡で、国の史跡。志太郡衙は、現在の藤枝市一帯を治めた郡役所ということに。志太郡衙資料館が併設され、志太郡衙跡の発見から復原までの様子が展示されています。
奈良・平安時代の駿河国志太郡の郡役所跡
昭和52年、駿河台地区の宅地開発(日本住宅公団の藤枝地区宅地造成事業)に伴う区画整理の際に発見され、発掘調査で、南北70m、東西80mの範囲から掘立柱建物30棟、井戸2基、土壙(どこう=地面に掘られた穴)、板塀、柵、土塁、門、石敷道路の遺構などが出土。
発掘された269点余りの土器、木簡(10点)には、志太という郡名や、大領、少領、主帳などの郡司(こおりのつかさ=郡を治める地方官)に関する官職名がしるされた墨書があり、志太郡衙跡と判明。
志太郡衙関連遺跡出土文字資料(考古資料)338点は、静岡県の文化財に指定されています。
発掘された遺構から、律令制開始当初の奈良時代の郡役所(1期)と平安時代に建て替えられた郡役所(2期)が重なり合っていることも判明。
郡衙を訪れる人々は、板塀に沿って石敷道路を東から西へと進み、板塀の西端に設けられた正門を潜って北側に曲がり、南面した中心施設前へと入りました。
遺跡での団地造営は中止され、御子ケ谷公園(史跡公園)として整備されています。
ちなみに藤枝市内の立花にある郡遺跡(こおりいせき=弥生時代から平安時代までを中心とする複合遺跡)は、益頭郡衙跡(ましづぐんがあと/益頭郡=現在の焼津市・藤枝市の一部)だと推測され、藤枝市郷土博物館・文学館の常設展示「古代」で、志太平野の古墳群とともに解説されています。
静岡県内では、伊場遺跡(浜松市中区伊場)が、弥生環濠集落跡が発掘され、敷知郡(ふちぐん)の郡衙跡と推測される遺構・遺物が出土していますが、完全な形で官衙の遺構が出土しているのは、志太郡衙跡のみです。
志太郡衙跡 | |
名称 | 志太郡衙跡/しだぐんかあと |
所在地 | 静岡県藤枝市南駿河台1-12 |
関連HP | 藤枝市公式ホームページ |
電車・バスで | JR藤枝駅からしずてつジャストライン新静岡行きで4分、志太温泉入口下車、徒歩6分 |
ドライブで | 東名高速道路大井川焼津藤枝スマートICから約6km、焼津ICから約7km |
駐車場 | 青島北地区交流センター駐車場を利用 |
問い合わせ | 志太郡衙資料館 TEL:054-646-6525/FAX:054-646-6525 |
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