静岡県下田市白浜、国道135号から500mほどはずれた海岸にあるのが竜宮島。伊豆に詳しい人でも意外にその存在を知らない人が多い場所で、岩礁に囲まれた小さな島。島の頂には、白嶋神社が鎮座しています。防波堤で陸続きになり、干潮時には周囲に磯も出現しますが、高波時などには島に渡ることは危険。
磯遊びが楽しめる岩礁、頂に鎮座する八大龍王の祠

有名な下田白浜の北端にありますが、竜宮島に向かって尾根(岩脈)があり、ちょうど竜宮島の部分だけ、国道は少し陸側に迂回することで、訪れる人が少ない秘境的な存在となっているのです。
陸側にはアロエの里があり、冬場も比較的に温暖な気候であることがよくわかります。
干潮時には広大なテラスが出現し、天然プールで水中生物を観察できます。
釣り人の姿を見るのは、ヒラスズキの好ポイントとして知られているから。
また島の頂に祀られた白嶋神社への道は固定ロープを使って岩場をよじ登るなどの難行苦行が必要。島の内部には参拝以外で立ち入ることはできないので注意を。
祠に祀られるのは、右側の祠が八大龍王(はちだいりゅうおう=法華経に登場し、仏法を守護する竜族の八王)、左側が観音菩薩。
この木彫りの観音菩薩、1994年に竜宮島の岩場で発見されたもので、民宿「龍宮荘」などが祠を築いて安置したものです。
かつては陸側に下田市営の板戸海水プールがあり、夏は泳ぐことができましたが、平成18年から休止しています。
民宿「龍宮荘」一帯は、一色陣屋跡。
江戸時代後期の天保年間(1830年〜1844年)、異国船襲来に備えて設置された沼津藩・水野家(譜代大名)の陣屋ですが遺構はありません。
徳川幕府は、文政8年(1825年)、異国船打払令を出していますが、天保13年(1842年)に「薪水給与令(天保の薪水給与令)」を発布し、異国船には薪水や食料を与え、事を荒立てない方針に゙転換しています。
穏やかな下田白浜にも、そんな歴史が秘められています。

「下田白浜の秘境」・竜宮島 | |
名称 | 竜宮島/りゅうぐうじま |
所在地 | 静岡県下田市白浜 |
電車・バスで | 伊豆急行線伊豆急下田駅から東海バス河津方面行きで20分、一色口下車、徒歩5分 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 下田市観光協会 TEL:0558-22-1531 |
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