静岡県三島市にある湧水を利用した小浜池(こはまがいけ)を中心とする回遊式庭園が、三島市立公園楽寿園。小松宮彰仁親王(こまつのみやあきひとしんのう)が明治23年に築いた別邸が前身。昭和27年に市立公園となり、市民の憩いの場に。国の天然記念物及び名勝、 「伊豆半島ジオパーク」のジオサイトになっています。
回遊式庭園と京風数寄屋造りの「楽寿館」が見事



6.8haもの敷地の大部分は、富士山からの三島溶岩流でできており、その上に1200種の樹木が生い茂っている庭園。
この自然林を背景に小浜池など大小7つの天然の池があり、そこに富士山の湧水が湧き出しています。溶岩塚、縄状溶岩、溶岩トンネルなどが観察可能。
北寄りに建つ高床式数寄屋造りの「楽寿館」は、京風建築のすぐれた手法を現在に伝える明治期の代表的な建造物であり、庭園と一体化するように建てられています。
つまりは「楽寿館」から見るための回遊式庭園ともいえるのです。
回遊式庭園は有名な小川治兵衛の作ではという説もありますが、裏付けはありません(伊豆長岡の三養荘・旧岩崎久彌別邸の庭園は小川治兵衛の作庭)。
「楽寿館」には、明治時代の襖絵や天井などが残され、文化財の見学ツアーを1日6回実施。
園内の地形は、北側が高く南や東南、東側が低くなっており、溶岩は北北西から流れてきたということが分かります。
いたるところで三島溶岩の露頭があるのも要チェックです。
ちなみに冬期の富士山上部の積雪が多いと次の年の夏期に湧水量が多く、池の水位も高くなるとのこと。
昭和37年頃から小浜池の湧水量は減少し続け、涸渇することが増えつつあります。
明治44年、大韓帝国最後の皇太子である李垠の別邸「昌徳宮」 (しょうとくきゅう)になったこともあるなど(昭和2年に売却)、多くの歴史を有していることから日本の歴史公園100選にも選定されています。
どうぶつふれあい広場を併設するほか、敷地内に「三島市郷土資料館」(入館は無料/楽寿園入園料が必要)があります。


三島市立公園楽寿園 | |
名称 | 三島市立公園楽寿園/みしましりつこうえんらくじゅえん |
所在地 | 静岡県三島市一番町19-3 |
関連HP | 三島市立公園楽寿園公式ホームページ |
電車・バスで | JR三島駅から徒歩3分 |
ドライブで | 東名高速道路沼津ICから約6km |
駐車場 | 楽寿園専用駐車場(82台/有料) |
問い合わせ | 三島市立公園楽寿園 TEL:055-975-2570/FAX:055-975-8555 |
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