重要文化財江川邸

重要文化財江川邸

静岡県伊豆の国市韮山、国の史跡「韮山役所跡」(江戸幕府の世襲代官・江川家の邸跡)の中核をなすのが、重要文化財江川邸。江川家28代・江川英長(えがわひでなが)が徳川家康に仕えて韮山代官となり、代々にわたり明治維新に至るまで代官職を務めた江川家の邸宅。保存公開され、見学が可能です。

江戸時代には伊豆地域の政治の中心として機能した役所

重要文化財江川邸

江川家の当主は代々、太郎左衛門を襲名していますが、有名なのは幕末に韮山反射炉を完成させた36代・江川英龍(えがわひでたつ)。

江川家が伊豆に移住したのは平安時代末期。
朝廷が後白河天皇方と崇徳上皇方に分かれて激突した保元の乱(ほうげんのらん/1156年)に崇徳上皇方で参戦して敗れ、伊豆の地に落ちのびたと伝えられています。

源頼朝の伊豆旗揚げに参加し、鎌倉幕府、室町幕府に仕える地方豪族に成長。
16代・江川英親(えがわひでちか)は日蓮に会い、以降は熱心な日蓮宗徒になっています。

戦国時代に入ると23代・江川英住(えがわひでずみ)は北条早雲の家臣となり(北条早雲が韮山城を制圧)、後北条家に仕えるように。
豊臣秀吉の小田原征伐の以降、徳川家の配下となり、幕府天領である韮山の代官職を務めています。

さらに明治維新後も韮山役所は、韮山県庁として引き継がれ、江川英龍の子・江川英武が韮山県知事を務めています。

現存する江川邸は、元禄9年(1696年)の築で、文政6年(1823年)に修築されたもの。
現在の江川邸には、主屋を中心に、表門、書院、5棟の蔵があり、裏山の天神山とともに往時のままに残されています。
NHK大河ドラマ 『篤姫』、TBS日曜劇場『JIN-仁-』のロケ地にもなっています。

江川邸内には、重要文化財韮山代官江川家関係資料、江川家関係写真など伝来の資料が保存され、一部が公開されています。

安政4年(1857年)に完成した韮山反射炉とともにセットで見学するのがおすすめです。

重要文化財江川邸
名称 重要文化財江川邸/じゅうようぶんかざいえがわてい
所在地 静岡県伊豆の国市韮山韮山1
関連HP 重要文化財江川邸公式ホームページ
電車・バスで 伊豆箱根鉄道韮山駅から徒歩25分
ドライブで 伊豆縦貫道函南ICから約5km
駐車場 30台/無料
問い合わせ 江川邸公開事務室 TEL:055-940-2200/FAX:055-940-2201
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
韮山反射炉

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