「そこは、たどり着いてはいけない異世界」をキャッチフレーズに、2022年6月3日に公開された映画『きさらぎ駅』。都市伝説「きさらぎ駅」をもとに恒松祐里(つねまつゆり)演じる女子大生が異世界駅の謎を追う姿が描かれています。「きさらぎ駅」に向かう起点となったのが、遠州鉄道新浜松駅です。
「2ちゃんねる」を元に広がった都市伝説、『きさらぎ駅』

2004年1月8日深夜、匿名掲示板「2ちゃんねる」・オカルト超常現象板への「はすみ(葉純)」と名乗る女性とみられる人物からの実際の投稿が、都市伝説の始まり。
新浜松駅から乗車した遠州鉄道の電車がいつもと違い、なかなか停車する様子がなく、
98:気のせいかも知れませんがよろしいですか?(2004/01/08 23:14:00)
101:先程から某私鉄に乗車しているのですが、様子がおかしいのです。(2004/01/08 23:18:00)
と投稿、ようやく到着した駅が「きさらぎ駅」という名称の見知らぬ無人駅だったというもの。
これがネットコミュニティの注目を集め、大きな話題となり、ついに映画化されたのが、映画『きさらぎ駅』です。
そんな映画『きさらぎ駅』公開時に盛り上がったのは、当然、「都市伝説発祥の地」でもある遠州鉄道新浜松駅。
新浜松駅2番ホームに公開に合わせて映画シーンのパネルなどを展示した「ギャラリー電車」を設置。
実際に撮影で使われた2両編成車両「1003号編成」の車内をギャラリーとして使い、映画シーンやオフショット写真、キャスト紹介などのパネルを展示したのですが、好評で設置期間を延長したほどでした。
『きさらぎ駅』のモデルではないかといわれる「さぎの宮駅」(静岡県浜松市中央区)には期間限定で駅名表示の一部を「きさらぎ駅」に変更して映画の世界観を演出。
遠州鉄道が舞台になった映画ということで大いに盛り上がったのです。

映画『きさらぎ駅 Re:』2025年6月13日全国ロードショー
映画『きさらぎ駅 Re:』(きさらぎえきり)は2025年6月13日(金)全国ロードショー。
さらにパワーアップした新作続編の舞台は前作から3年後という設定。
前作で宮崎明日香を演じた本田望結が主演、『きさらぎ駅』、『リゾートバイト』というネット都市伝説を元にした作品を手掛ける永江二朗が再び監督を務めます。
「前作の公開後、続編が見たいという声が殺到したのですが、実に3年の月日を要しました」(永江二朗監督)とのことで、「脚本をはじめ、前作を超える作品」となっているそうです。
ただし、「パワーアップしたウルトラZ級ホラーエンタメ作品」なので、鑑賞にあたってはご注意を。
遠州鉄道では4月30日(水)から、作品の世界観を表現したラッピング列車の運行も始まり、盛り上げています。
車両は「赤電」と呼ばれる遠鉄の赤い車両が徐々に青色に変わるデザインで、日常から異世界に入り込んでしまう奇妙な世界観を色の変化で表現したもの。
車体には「今きさらぎ駅に停車中ですが、降りるべきでしょうか。聞いた事も見たことも無い駅なのですが――」との文字も記され、作品のもつ不思議な世界観を伝えています(運行スケジュールは遠州鉄道のホームページで確認可能)。
運転初日に乗車した永江二朗監督も「沿線から見える景色はとても日常的で異世界とのギャップがある。車両のデザインが映画の雰囲気と合っている」と絶賛しています。
都市伝説の始まりから20年以上を経て、今も盛り上がる『きさらぎ駅』です。
映画『きさらぎ駅』続編公開で大注目! 遠州鉄道&さぎの宮駅 | |
所在地 | 静岡県浜松市東区大瀬町417-2 |
場所 | さぎの宮駅 |
関連HP | 遠州鉄道公式ホームページ |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |