2023年11月17日(金)、静岡県賀茂郡西伊豆町宇久須にバス案内所(宇久須駅)と東海バスの旧車両を一体的にリノベーションした宿泊施設「ばすてい」がオープン。貸切制で、バス内に3名、旧案内所に2名と合計5名が宿泊可能で、1棟&1台貸しで1泊3万4000円~(素泊まり、税込み)。
コンセプトは、「バスと過ごす(ステイ)」
コンセプトである「バスと過ごす(ステイ)」から、「バス」と「ステイ」を合わせて「ばすてい(=バス停)」と名付けられています。
伊豆半島各地を走っていたかつての東海バスは、レトロカラーに再塗装され、運転席に座ってハンドルや行先表示ボタンの操作を行なったり、降車ボタンを押すことも可能です。
バス車体のバス中央〜後方部分に、座席を向かい合わせたボックス席、ベッドを設置、居住空間を確保しています。
かつては国鉄との連絡乗車券を発券したため、バス停名も宇久須駅と駅が付き、その待合室だった場所は飲食が可能なダイニングルームに変身し、本を自由に手に取れる本棚も復元されています。
案内所のカウンター、事務室だった場所は調理器具を備え付けたキッチンに。
倉庫として利用されていた部屋は、浴室、トイレ、洗面などの設備とベッドルームにリノベーションされ、ホテルのような快適空間が確保されています。
素泊まりとなりますが、事前の予約で、地域の民宿や漁協の協力のもと海の幸を盛り込んだセットを味わうことができます。
宇久須には名物の「こあじ鮨」の店、「三共食堂」、「八起鮨」もあるので、そちらで夕食という手も。
なお、東海バスで修善寺駅発の快速松崎行きは、「ばすてい」正面に停車しますが、三島駅からの特急松崎行きはBP(バイパス)宇久須バス停に停車するため、徒歩で4分ほど離れています。
バス停なのに宇久須駅と駅が付くのはなぜ!?
バス案内所が宇久須駅と、バス停なのに駅を名乗るのは、お隣の松崎町にある松崎駅などと同様に、かつての鉄道連絡の名残り。
省線(国鉄)との連絡乗車券を発券するため、バス停なのに「駅」と称したもので、伊豆半島では、昭和7年10月10日、当時大倉財閥の翼下に入った東海自動車が、沼津駅〜三島駅(現・下土狩駅)〜修善寺温泉〜伊東温泉(省線伊東駅開業は昭和13年)〜省線熱海駅の鉄道連絡バス(旅客連帯運輸)を運行したのが始まりです。
「省線で東京まで」ときっぷが購入でき、省線連絡が東海自動車のステータスにもなったため(駿豆鉄道=現・伊豆箱根鉄道駿豆線との競合もありました)、あえて松崎駅、宇久須駅、下田駅(伊豆急行線の開通する以前です)などと名乗り、地元でもその名が浸透していったのです。
鉄道連絡バスの駅が付いたバス停名は、千葉県鴨川市の鴨川日東バス長狭-金谷線の主基駅、吉尾駅、神奈川県の神奈川中央交通の平塚市(豊田本郷駅、金目駅)、伊勢原市の大山駅などにも駅が付いたバス停が残されています。
西伊豆に《待合所+バス》の宿泊施設「ばすてい」開業 | |
開催日時 | 2023年11月17日(金)〜 |
所在地 | 静岡県賀茂郡西伊豆町宇久須249-2 |
場所 | 宿泊施設「ばすてい」 |
関連HP | 東海バス公式ホームページ |
電車・バスで | JR三島駅から東海バス特急松崎行きで1時間30分、または、伊豆箱根鉄道修善寺駅から東海バス快速松崎行きで1時間10分、宇久須下車、徒歩5分 |
ドライブで | 東名高速道路沼津ICから約66km |
駐車場 | あり |
問い合わせ | 東海バス TEL:TEL:0557-36-1111/FAX:0557-36-5482 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |