柿田川湧水群(柿田川公園)

柿田川湧水群(柿田川公園)

静岡県三島市に隣接する清水町(しみずちょう)にある湧水群で環境省の「名水百選」に選定されるのが柿田川湧水群。1日に100万t以上という、東洋一の湧出量を誇る水源地周辺は柿田川公園として緑地公園化され、2ヶ所の展望台からこの湧き水を見学できます。湧水群は1kmほどの柿田川になり、狩野川(かのがわ)に注いでいます。

三島溶岩流の末端から湧水が流れ出す

長良川、四万十川とともに日本三大清流に数えられる柿田川。
富士山の伏流水が湧き出た水は、ミネラル分を多く含み、柔らかい味わい。
源流にあたる第1展望台にはカワセミが訪れることもあり、11月下旬〜12月上旬にはアユが遡上し、産卵風景も観察可能(汚染などで遡上数が減少しています)。

清水町や三島市周辺の地質は、2万2000年前に噴火した古富士火山の溶岩層の上に、8500年前の富士山の爆発で流出した三島溶岩流が重なっている状態。

古富士火山の溶岩層は水の浸透性が悪いのですが、逆に三島溶岩層は水を通しやすい多孔質。
柿田川の湧水群はちょうど富士山から今の御殿場線に沿って流出した三島溶岩流の末端にあたり、ふたつの溶岩層の間を流れた地下水がここで湧出しているのです。

三島市内の湧水も同様で、湧き出る部分を観察すると溶岩流の末端であることがよくわかります。
湧水が湧き出る場所では、白い小石が湧き間に踊っている様子を目にすることができます。
この白い小石は、約3200年前のカワゴ平噴火の軽石。
伊豆半島ジオパーク(世界ジオパーク)の柿田川ジオサイトになっています。

静岡県企業局は、昭和50年3月から柿田川を水源とする駿豆水道を使い、熱海市(熱海市水道の3割〜4割)、三島市、函南町の2市1町に水道用水を供給しています(駿豆水道用水供給事業)。

柿田川公園の駐車場に近い第1展望台は人出も多いのですが、以前あった製糸工場の取水口だった場所。
第2展望台近くの、貴船神社横の階段を下りた所には「湧水広場」が整備され、川に入って水に触れることが可能です。

柿田川公園の駐車場横には白壁や石蔵を配した「泉の館」も整備されています。
施設内の茶房「蔵」では柿田川湧水で煎れた「湧水珈琲」を用意。
「柿田川豆腐館」では湧水仕込の豆腐を販売し、さらに土産コーナーでは、湧水のペットボトル「富士山百年水」も販売。
食事は、柿田川百年水豆腐が味わえる「キッチンかわせみ」、「食事処かわせみ本館」で。

一帯は、家康「幻の隠居所」、泉頭城の城跡

柿田川湧水群一帯は、天文23年(1554年)、北条氏康が武田勢に備えるために築城した泉頭城(いずみがしらじょう)の城跡。
「泉の館」や駐車場は、実は泉頭城本曲輪跡に位置しています。
天正18年(1590年)、豊臣秀吉による小田原征伐に際して、小田原城の籠城を決め込んだ後北条氏は泉頭城を焼き払っています。
元和元年(1615 年)、駿府城(現・静岡市)に暮らす大御所・徳川家康は、この清流湧く泉頭城を隠居所にしようと、土井利勝、本多正純に縄張りを命じていますが、翌年没したことから、幻の隠居御殿になっています。
家康の側室・お万(養珠院)は、文禄2年(1593年)、この柿田川で家康に出会ったとする説もありますが定かでありません(江川太郎左衛門の養女としてお目見えが通説)。

名称 柿田川湧水群(柿田川公園)/かきたがわゆうすいぐん(かきたがわこうえん)
所在地 静岡県駿東郡清水町伏見71-1
関連HP 清水町公式ホームページ
電車・バスで JR三島駅からバス柿田方面行きで柿田川湧水公園前下車
ドライブで 東名高速道路沼津ICから約5km
駐車場 町営駐車場(100台/有料)泉の館に隣接、沼津IC方面からは右折で進入となるが右折時に対向車に注意
問い合わせ 清水町地域振興課 TEL:055-981-8238
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駒門風穴

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