静岡県浜松市天竜区佐久間町と愛知県北設楽郡豊根村の境界を流れる天竜川に、電力供給を目的に、昭和31年に完成した巨大なダムが佐久間ダム。高度成長期に、バンク・オブ・アメリカから総額900万ドルの借款を得て、建設費に充当。その後の大規模ダム建設の見本となったため、日本土木史の「金字塔」といわれています。
佐久間湖は「ダム湖百選」に選定
国際入札の結果、ダム建設はアトキンソン社・間組・熊谷組連合が落札。
アメリカのパインフラットダムで使用されていた重機をそのまま移送し、近代的機械化工法を確立。
難工事の末、96名の殉職者と296戸が移転するという大きな犠牲を生みながら昭和31年10月15日に完成式が行なわれています。
誕生したダム湖の佐久間湖は、ダム湖百選に選定(周辺は天竜奥三河国定公園に指定)。
堤高155.5mは、建設当時はもちろん日本一の大ダムでしたが、現在でも日本9位のダムとなっています(総貯水量は第8位)。
ダム建設の記録映画『佐久間ダム』が大ヒット、完成に合わせて郵政省が発行した佐久間ダム竣工記念切手が大人気となりました。
愛知県道・静岡県道・長野県道1号(飯田富山佐久間線)がダムの天端を、さらにダム湖の佐久間湖、天竜川沿いに通っているのでドライブも可能ですが、狭隘な悪路が連続するので注意が必要。
佐久間ダムのダムサイトにある「佐久間電力館」(浜松市天竜区側)では、佐久間ダム建設の大工事を紹介する映画『佐久間ダム建設の記録』のダイジェスト版(5分)を上映するとともに、当時の新聞記事をパネルで紹介。
佐久間ダム、佐久間発電所、佐久間発電所第二発電所の仕組みと役割を詳しく解説しています。
10月の最終日曜には、佐久間ダム湖岸広場で『佐久間ダムまつり』が行なわれています。
佐久間ダム(佐久間湖) | |
名称 | 佐久間ダム(佐久間湖)/さくまだむ(さくまこ) |
所在地 | 静岡県浜松市天竜区佐久間町佐久間・愛知県北設楽郡豊根村古真立千尋 |
電車・バスで | JR飯田線中部天竜駅から徒歩50分 |
ドライブで | 新東名高速道路浜松いなさ北ICから約33km |
駐車場 | あり |
問い合わせ | 佐久間ダム・佐久間電力館 TEL:0539-65-1350 |
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