静岡県静岡市清水区にある臨済宗妙心寺派の寺、鉄舟寺(鉄舟禅寺)。もとは久能寺といい、平安時代中期に久能山の山頂に創建されましたが、永禄11年(1568年)、駿河に侵攻した武田信玄によって山麓の現在地に移され、明治の廃仏毀釈の荒波で、荒廃してしまったものを、明治16年、山岡鉄舟が臨済宗の寺として再興。
明治初期に静岡に暮らした山岡鉄舟ゆかりの寺
武田信玄が寺を山麓に移したのは、久能城築城のため(久能城=現在の久能山東照宮一帯にあった中世の山城)。
もともとは天台宗の寺でしたが、武田信玄は新義真言宗に改宗させています。
明治維新後、幼少(5歳)の徳川家達に従い、駿府に下った旧幕臣の山岡鉄舟(山岡鉄太郎)は、明治2年には静岡藩権大参事にも就任(勝海舟とともに徳川家達を補佐)、清水次郎長と意気投合、さらに職を失った旧幕臣の殖産興業による牧之原台地開墾の際には、茶の栽培を促すなど、静岡とは深い関係があります(実際に静岡で暮らしたのは3年半ほどです)。
臨済寺から今川貞山を招いて復興しますが、明治21年、53歳で鉄舟寺の完成を目にすることなくこの世を去り、清水の魚商・芝野栄七がその遺志を継いで、明治43年に完成。
山岡鉄舟の遺徳を讃え、鉄舟寺の名を付けたのです。
境内には、山岡鉄舟の歌碑「晴れてよし曇りてもよし不二の山もとの姿はかはらざりけり」があり、清水港の高台に位置するため、駿河湾や富士山の素晴らしい眺望を得ることができます。
寺宝の法華経(久能寺経)19巻は国宝(東京国立博物館に寄託)。
鉄舟寺 | |
名称 | 鉄舟寺/てっしゅうじ |
所在地 | 静岡市清水区村松2188 |
関連HP | するが企画観光局公式ホームページ |
電車・バスで | JR清水駅から静鉄バス市立清水病院方面行きで14分、鉄舟寺下車、徒歩2分 |
ドライブで | 東名高速道路清水ICから約6km |
駐車場 | 40台/無料 |
問い合わせ | 鉄舟寺 TEL:054-334-1203 |
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