富士山の東側には、宝永の大噴火で生まれた巨大な砂漠地帯が広がっています。とくに「ふじあざみライン」周辺には、火山学者がワクワクするような景観が。それが富士グランドキャニオン(須走グランドキャニオン)ですが、入口一帯が東富士演習場にあたるため、残念ながら現在、立ち入り不可になっています。
富士山麓に和製グランドキャニオンが
それが誰が名付けたのか「富士グランドキャニオン」(Fuji Grand Canyon)。
本場のグランド・キャニオン(Grand Canyon)は、アメリカ合衆国アリゾナ州の峡谷で、コロラド高原がコロラド川の浸食作用で誕生した峡谷。
平均の深さ約1200m、長さ446km、幅6km~29kmに及ぶ巨大な凹部状の谷で、最深地点はなんと1800m。
で、「富士グランドキャニオン」の方はといえば、長さ約300m、高さは深さ約50m。最深部分が70m。
規模的(全長)には0.00067%という超超超超超・・・ミニサイズ。
ちょっとグランドキャニオンというにはおこがましい感じがするくらいです。
1707年(宝永4年)の宝永の大噴火で富士山には巨大な3つの火口が生じました。
富士山南東斜面で発生し16日間続いた噴火により、火口から10km東方の須走村でも黒色の火山礫(宝永スコリア)が3mも堆積しました。
まずは「ふじあざみライン」馬返しを目ざそう
「富士グランドキャニオン」のある「ふじあざみライン」や御殿場口新五合目(太郎坊)一帯は、火口から近いこともあって4m〜5mの堆積があります。
さらにその下に2000年ほど前の二ツ塚の噴火で堆積した二ツ塚スコリア、その下には2200年前の富士山頂から出た湯船第2スコリアと重なっています。
「ふじあざみライン」周辺の地層には、最下層の1万年前の三島溶岩流まで、1万年の火山の歴史が層になって刻まれています。
それが、水の浸食や「雪代」(ゆきしろ)で削られて谷が形成されたのが「富士グランドキャニオン」です。
「雪代」とは、土砂混じりの雪崩のこと。富士山独自のネーミングで、雪崩が山肌のスコリアを巻き込みながら山麓へと流れ出すものです。
「富士グランドキャニオン」へは「ふじあざみライン」の馬返し(旧登山道1合目、往時の登山でここまで馬に揺られて登ることができました)バス停から300mほど登った場所に「グランドキャニオン」と記した石柱があるので、これを目印に樹海の中に。
少し歩くと、東富士演習場の敷地で立入禁止になるので、ここを左に折れて谷の上部を目ざします。
入口から往復40分ですが、東富士演習場との関係や遊歩道として未整備な状況なので、入林は自己責任ということになります。
(歩道がハッキリしていませんのでガイドとの入山が適切)
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