室岩洞

室岩洞

静岡県賀茂郡松崎町、国道136号(富士見彫刻ライン)で松崎から岩地へと南下する途中、国道脇の駐車場から断崖を海側へ50mほど下った場所に隠れるようにあるのが室岩洞。洞といっても天然の洞窟ではなく、人工のもの。伊豆石(凝灰岩)を切り出したた石切り場(石丁場)の跡が洞窟状になっているのです。

江戸城に石垣を供給した石切り場跡の洞窟を探検!

江戸時代には江戸城の石垣を築くために、幕末の品川台場構築用に切り出されたという歴史ある石切り場(石丁場)場で、海岸まで伐り出した伊豆石を下ろし、船に積んで運んだと推測できます。

採石は江戸時代〜昭和29年頃まで行なわれ(戦後は大谷石やコンクリートブロックに押されて廃業)、昭和57年4月10日に照明設備を完備し、観光用に公開したもの。
室岩洞の洞内には解説板や人形が設置され、当時の採石風景を再現しています。
広さ約2000平方メートルの洞窟には片道180mほどの遊歩道が設けられていますが迷路のように複雑で、天井は低いところだと1.5m。
石を伐り出した空間に水が溜まった地底湖もあり、出口をはうように抜け出すと、海岸の絶壁の上に位置する展望台があります。
かつて切り出した石は、展望広場横の沢伝いに海へと降ろし、船に積んで運んだのです。

採掘方法は、縦に石材をカットし、横に掘り進める垣根掘り、垣根掘りの場所から縦に掘り進める平場掘りを併用していました。

伊豆石自体は、遠い南方での海底火山の活動(200万年前以前)で、海底に降り積もった火山灰が長い年月を経て凝灰岩(ぎょうかいがん)へと変化したものです(その後、プレートに乗って北上し、本州に衝突し、伊豆半島が誕生)。
室岩洞は、伊豆石の産地として、伊豆半島ジオパークのジオサイトにもなっています。

室岩洞
室岩洞
名称 室岩洞/むろいわどう
所在地 静岡県賀茂郡松崎町道部
関連HP 松崎町観光協会公式ホームページ
電車・バスで 伊豆急行線蓮台寺駅から東海バス堂ヶ島方面行きで40分、松崎下車、東海バス雲見・石廊崎灯台方面行きに乗り換え5分、造船所下車、徒歩20分
ドライブで 伊豆縦貫自動車道大平ICから約48km
駐車場 4台/無料
問い合わせ 松崎町観光協会 TEL:0558-42-0745
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

室岩洞

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