伊豆、駿河、遠江(静岡県)、甲斐(山梨県)、信濃(長野県)、相模(神奈川県)、武蔵(東京都、埼玉県)上総、下総、安房(千葉県、茨城県)の旧10国が眺められるというのが十国峠。老朽化したケーブルカーに代わり、2027年夏、スロープカーに変身、「動く展望台」が登場する予定です。
2026年で70周年という歴史あるケーブルカー

十国峠パノラマケーブルカーは、1956年10月16日、駿豆鉄道(現・伊豆箱根鉄道)により開業。
2026年で70周年という歴史あるケーブルカーです。
そんな西武グループの伊豆・箱根観光を支えたケーブルカーでしたが(かつて箱根では小田急VS西武の激しい交通戦争が展開していました)、2022年には富士急に売却。
現在は富士急グループの運営となっています。
正式名は十国鋼索線(じゅっこくこうさくせん)。
ケーブルカーは、日本語に直すと鋼索鉄道で、鉄道の一種。
あまり知られていませんが、軌間は新幹線と同じ1435mm、日本国内で唯一の標準軌のケーブルカーなのです。
鉄道ということで、厳しいメンテナンスが必要となり、70年ということからリニューアルする必要性が高まっていたのですが、新しいケーブルにするには膨大な予算が必要となります。
そこでレジャー産業も展開する富士急行が目をつけたのがスロープカーということに。

スロープカー、実は「斜行エレベーター」

スロープカー、一般的には聞き慣れない乗り物ですが、斜面走行モノレール。
国内では長崎稲佐山展望台、英彦山などで活躍しています。
新たに導入されるのは、国内のスロープカーを手掛けるトップ企業の嘉穂製作所(福岡県飯塚市)のスロープカー。
実績も豊富で安全性、快適性も確保できます。
日本の法律上は建築基準法の規制を受ける構造物として、エレベーター(斜行エレベーターの一種)であることで、メンテナンスも比較的に楽。
富士急ハイランドを手掛ける富士急行にしてみれば、まさにうってつけの乗り物でしょう。
実は箱根で最古の歴史を誇る芦ノ湖遊覧船(1911年7月、箱根遊船として運航開始)も2023年3月1日、西武系から富士急行に売却され、伊豆箱根への富士急行の進出が進んでいます。
今回、スロープカーのデザインを手掛けるのは、芦ノ湖を走る「箱根遊船 大茶会」、熱海と初島を結ぶ「初島リゾートライン 金波銀波」のデザインを手掛けた川西康之。
箱根、十国峠、熱海・初島にデザインにこだわる乗り物が登場と、富士急行らしい戦略も感じ取ることができます。
| 2027年夏、十国峠ケーブルカーが、スロープカー「動く展望台」に変身 | |
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