静岡県浜松市中区の佐鳴湖近く、国の史跡・蜆塚遺跡(しじみづかいせき)に隣接して建つ歴史民俗博物館が、浜松市博物館。常設展示「はままつの歴史・文化展示室」では、石灰岩採掘現場で発見されたヤゲワニ化石などの旧石器時代から近現代に至るまで、浜松地方の歴史をわかりやすく解説。
蜆塚遺跡に隣接して建つ博物館
浜松市では昭和30年に蜆塚遺跡の発掘調査が開始、その成果を踏まえ、昭和33年、前身となる浜松市立郷土博物館が開館、さらに昭和54年、リニューアル(移転)して、蜆塚遺跡にオープンしたのが浜松市博物館です。
引佐町花平の谷下地区で出土したヤゲワニ化石は、およそ35万年前の絶滅ワニの化石で、ワニと名が付けられていますが、現在のワニと近縁なのか、分類がまだ判明していません。
展示されるナウマンゾウの化石は、浜松市内で出土したもの。
大正10年、浜名湖北岸の工事現場で牙・臼歯・下顎骨(かがくこつ)の化石が発掘され、日本の化石長鼻類研究の草分けであるナウマンに因んで、Elephas namadicus naumannniと命名、この和名が有名なナウマンゾウで、まさに浜松市は「ナウマンゾウ発祥の地」(最初の標本は、明治初期に横須賀製鉄所、現在のアメリカ海軍横須賀基地の敷地内で発掘)。
縄文時代の蜆塚遺跡出土品はもちろん、古墳時代の馬場平古墳・千人塚古墳出土品も必見です。
宗良親王(むねよししんのう)の井伊谷下向など、南北朝時代には南朝と北朝の攻防の舞台となった歴史なども教えてくれますが、やはり注目は浜松在城期の徳川家康。
浜松城は、徳川家康が今川、武田、織田など巨大な戦国大名に囲まれ、戦国の世になんとか生き延びた城で(徳川家康は29歳~45歳までの17年間を浜松城で過ごしました。有名な姉川、長篠、小牧・長久手の戦いもこの期間中の出来事)、歴代城主のなかには幕府の要職に登用された者も多いことから、出世城と呼ばれています。
浜松市博物館 | |
名称 | 浜松市博物館/はままつはくぶつかん |
所在地 | 静岡県浜松市中区蜆塚四丁目22-1 |
関連HP | 浜松市公式ホームページ |
電車・バスで | JR浜松駅から遠州浜蜆塚線バスで15分、博物館下車 |
ドライブで | 東名高速道路浜松西ICから約8km |
駐車場 | 45台/無料 |
問い合わせ | 浜松市市民部博物館 TEL:053-456-2208/FAX:053-456-2275 |
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