古代には伊豆国の国府が置かれ、近世には東海道の要衝として栄えた静岡県三島市。
三島市は2015年12月14日にオープンした、日本最長の人道吊り橋、箱根西麓・三島大吊橋(三島スカイウォーク)で目下、大注目のエリアになっています。
染井吉野の実生でミシマザクラが誕生!
そんな三島市のマンホールの絵柄は、ミシマザクラ(学名=Cerasusx yedoensis ‘Mishimazakura’)。
水や空気が良く温暖な気候、東京に近いなどの理由で昭和24年に三島市に設置された国立遺伝学研究所。「サクラ博士」「アサガオ博士」として知られソメイヨシノ(染井吉野)の起源について解明した国立遺伝学研究所竹中要博士が発見したのがミシマザクラ(三島桜)です。
「染井吉野の起源が分からないので、それを解決する一つの方法として昭和26年、染井吉野の実を染めて第1回目の実生実験を行なった。それらが生長開花した中に一本の美しい桜を生じた。時あたかも、三島市の新庁舎が完成した時であったので、三島市を記念して三島桜と命名した。この桜は、大島桜に似ているが、若葉に毛のあるのと、花梗および花托に毛のある点で大島桜と異なる」(竹中要博士)。
ミシマザクラは「三島市の花」
蕾はピンクですが、花が咲くとほとんど白色になるのが特徴。オオシマザクラに似ているので、素人目にはなかなか判別がつかないんだとか。
(これはソメイヨシノがオオシマザクラとエドヒガンの交配で生まれた品種のため、オオシマザクラに似ているのです)
花の咲く時季はソメイヨシノと同じ。昭和45年10月11日、三島市制30周年を記念し、「三島市の花」に選定されています。
花の見頃は例年4月の初旬。ミシマザクラは、伊豆国一の宮の三嶋大社の境内や、源兵衛川の遊歩道沿いに植栽されています。
国立遺伝学研究所では、桜の咲く時期にあわせて一般公開が行なわれています(毎年4月、日時は新聞、ホームページで発表/三島駅から無料シャトルバス運行)。国立遺伝学研究所には約200種類、300本の桜があり、ミシマザクラの木には、「No.230」の木札が掛かっています。
取材協力/三島市観光協会