横山大観の「日本一の富士山展望地は達磨山」、その理由は!?

画家や写真家に愛される富士の撮影地に伊豆・修禅寺から戸田峠に登る途中にある「だるま山高原レストハウス」(伊豆市)があります。
そこからの富士山は、昭和14年のニューヨーク万国博覧会に出品の大きな画像パネルにもなっています。
また、修善寺温泉の新井旅館の3代目主人・相原沐芳(あいはらもくほう:本名・相原寛太郎)の元に集まった横山大観(よこやまたいかん)らの画家たちが、秀麗な富士をこの地で描いたのです。

 

達磨山と「だるま山レストハウス」では大違い!

 

ニューヨーク万博出品「富士山」

昭和14年のニューヨーク万国博覧会に出品の富士山(現在の「だるま山高原レストハウス」近くから撮影)

一般に達磨山(だるまやま)として知られていますが、達磨山は「だるま山レストハウス」の南西、西伊豆スカイライン沿いにある標高981.8mのピーク。
万博出品の撮影場所や、画家の描く富士山の絶景ポイントは、「達磨山」あるいは「伊豆の達磨山」と通称されるためこの山頂から撮影した、描いたものと勘違いする人も多いかと思われます。
対する「だるま山高原レストハウス」は、金冠山から派生する尾根上に位置しています。

達磨山は、80万~50万年前に活動した火山(火山番号:F11)で、由比あたりから駿河湾越しに眺めると達磨大師が座禅しているように見えるのでその名があるのだとか。
山頂に立つと確かに絶景ですが、前に金冠山が立ちふさがり、駿河湾が見えません。
ちょっとがっかりなアングルとなります。
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↑達磨山山頂からの富士山。金冠山方面の前山に隠されて駿河湾は眺望できません
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↑「だるま山レストハウス」横からの駿河湾越しの富士山。これが横山大観もイチオシの絶景

横山大観がイチオシの理由とは!?

2000点以上の富士を描き、「富士は永遠の姿。いくら描いても完成しない」と語ったという横山大観。
その秀麗な霊峰・富士を『不二』と題したのは、二つとないことを強調したからに違いありません。

横山大観は、こう語っています。
「富士の名画というものは昔からあまりない。それは形ばかり写すからだ。富士の形だけなら子供でも描ける。富士を描くということは、富士にうつる自分の心を描くことだ。心とは、ひっきょう人格にほかならない。それはまた気品であり、気迫である。富士を描くということは、つまり己れを描くことである」(「私の富士山」昭和29年5月)。
富士を描くきっかけは、霊峰・立山(富山県)から雲海に浮かぶ富士の姿を仰いでから。
そして横山大観がもっともお気に入りだったのがこの達磨山(正確には「だるま山高原レストハウス」あたり)です。
一番形がよく、宝永山が富士山に重なってうまく隠れる」というのがその理由です。
富士山の南東側、三合目から七合五勺にかけて(標高約2100mから3150m地点にかけて)、巨大な三連の火口群があります。
富士山の噴火史上もっとも激しい噴火のひとつであった宝永噴火(1707年)で生まれた宝永火口です。
この火口の横に爆発で誕生した寄生火山の宝永山(2693m)が突起して、秀麗と思える富士の姿を描くときにどうしても気になる地形だったのです。
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↑富士の展望地として名高い日本平からの富士山もよく見れば突起が目立ちます
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↑かつて東海道を行き交う旅人がため息をついた富士川からの富士山。やはり突起が目立ちます
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↑「だるま山高原レストハウス」からの富士は宝永山の突起が山体に隠されています

日頃、何気なく眺める富士山ですが、一流といわれる画家やカメラマンが、達磨山を愛するにはやはり、しっかりとした理由があったのです。

だるま山高原レストハウスDATA

店名 だるま山高原レストハウス
住所 静岡県伊豆市大沢1018-1
営業時間 4月〜9月10:00〜17:00(オーダーストップ食事14:30、喫茶16:30)
10月〜3月10:00〜16:30(オーダーストップ食事14:30、喫茶16:00)
休業日 火・水曜休(詳細は伊豆市のホームページで確認を)
地図
駐車場 50台/無料
問い合わせ TEL:0558-72-0595/FAX:0558-72-0803

 

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